個人の資産形成にはインデックスファンドの積立投資が有効?(連載 第1回)

連載「新たなインパクトファンドが個人投資家資金の流れを変える!?」第1回

Q.1.

個人の資産形成にはインデックスファンドの積立投資が有効という認識が広がり、iDeCoや積立NISAの制度もそれを後押ししているように思います。ただ20~40年の投資期間で考えた場合、それでいいのかと疑問に思っています。いかがでしょうか?

A.1.

個人の資産形成には、企業の確定拠出基金(DC)、iDeCo、積立NISAの制度が利用でき、税制上のメリットがあるのでうまく利用することが重要です。
一方で、インテックスファンドの積み立て投資がよいという考え方が広まったのには、以下の理由があると考えています。

  1. 積極的に銘柄を選択して投資するアクティブファンドの成績が、日本経済の成長率が低く、企業の成長性も全般に限られたことから、あまり振るわなかったこと。また、運用会社や販売会社に対して支払う信託報酬がアクティブファンドでは比較的高いこと。
  2. 一方で、市場の指数に連動するインデクス運用のファンドは、市場平均並みの投資リターンから信託報酬を引いた収益が確実に得られ、信託報酬も比較的低いこと。

積み立て投資は、毎月の給与から資金を積み立てることで投資をはじめやすく、また時間の分散となるために、一時的に市場の大きく値下がりする時期があっても、中長期には買付けコストが平準化されるメリットがあります。ですから、積み立て投資については、なんら問題はありません。

これまで、日本経済の低成長と投資環境の振るわない時期が、大きく見れば30年も続いたからといって、インデックスファンドを選択する判断も間違っていたとは言えないと思います。ただ、今後もインデックスファンドへ投資を続けるのがベストな選択肢かという点については、再検討してほしいと思っています。まだ初期段階ですが、株式投資の環境が、これまでとは大きく変化しはじめていると考えるからです。

とくに20~40年という長期で資産形成を目指す場合には、インデックスファンドと比べて、長期間に高いパフォーマンスを上げる可能性が高いと考えられるファンドに、少なくとも資金の一部を振り向けた方がよいのではないかと考えています。

結論を先に言いますと、厳選した上場株式に投資するESG型インパクト投資の投資信託が、日本で個人向けに設定・販売されるようになっているからです。

なぜ、このようなインパクト投資のファンドに注目すべきだと考えるかについては、次回から説明します。